鉱物の写真撮影は時に困難を極めます。
もとりより写真撮影のプロではないので、カメラおよび撮影についての技術・知識が足りない事、また、撮影機器が貧弱である事はお許しいただきたいと思います。
色合い・立体感など目で見ている印象を忠実に伝えようと努力していますが、人の眼がいかに優秀かを痛感させられることの連続です。裏返せば、人の眼とそれを処理する脳が、いかに見たいもの選択してを見ているかが解る時でもあります。
愛してやまない天然石、その中でも傑出した個性を放つ対象を手にした時、その姿を最高の画像に残したいと試行錯誤を繰り返すのですが、”何故”と云わざるを得ない結果に終わることがほとんどです。
絞り、シャッタースピード、ISO値の組み合わせでは解決しないもどかしさがいつも残ってしまいます。
最近は”カメラよりセッティング”なんだと強く感じます。カメラのレンズに飛び込んでくる”光をいかに作るか”とでも言えましょうか。
もちろん写真撮影の基本中の基本なのでしょうが、照明と背景、そして対象とカメラとの距離などの”セッティング”を大切にしています。最近のカメラはとても優秀ですから、絞りやシャッタースピード、ピント合わせなどで失敗することより、光をどう作るかというセッティングで失敗していることがほとんどなのでしょう。
セッティングについては幾つかのパターンを会得しつつあるのですが、なにせ相手が天然石ですから一つ一つに細かな変更が必要です。また同じ石であっても角度を代えるだけで再設定ということもあります。また撮影スタジオといった立派なモノを持ち合わせない状況では、日中の撮影はその日の天気や時間によってあまりにも条件が違い、セッティングは更に困難なものになります。
しかしながら、天然石販売Webショップ掲載用の商品写真ですからある程度まとまった数の石を撮影することが多いのも事実。できるだけ同じセッティングで数をこなし、時間を節約したいのも人情。ここが失敗の元で、次々とメモリを消費していく事態となり、メモリばかりではなく大切な時間(=コスト)を失うハメになることもしばしば…。また日中よりも日没後なら条件は一緒だろうと、勢い撮影は深夜に及び生活リズムを崩すハメに…。趣味で休みの日にじっくりと時間をかけて撮っていくというのが一番楽しいんだろうと思いつつも、空回りのコストパフォーマンスを求めて撮影の数をこなす日々です。